地盤補強

DGハイブリッド工法

 「DGハイブリッド工法」は、スラリー系機械攪拌式深層混合処理工法(DGコラム工法)により建造された「ソイルセメントコラム」に、「縞鋼板製鋼管(芯材)」を埋設したものを地盤補強体(合成コラム)として利用する地盤補強工法です。

特長


DGハイブリッド工法は高い支持力性能により、
深層混合処理工法の2倍以上の支持力を発揮することが可能です。

DGハイブリッド工法

 一般的に、小規模建築物等に深層混合処理工法による地盤補強を用いる場合、改良体の耐久力により支持力が低く抑えられるケースがあります。そこでDGハイブリッド工法では、コラムの中心部に縞鋼板製鋼管を埋設して一体化を図り、改良体の耐力をアップさせることで、地盤から決まる支持力を有効に発揮することを可能にしました。

スラリー噴射の概念図

 掘削攪拌装置下部吐出口に取り付けられたノズルから、通常より高い圧力をかけてスラリー(固化材を水と混合し液状にしたもの)を噴射させることにより、混合攪拌の補助的な役割と、スラリーをコラム全域に拡散させることにより、強度が均一で高品質なコラムを築造することが可能となりました。 噴射テスト状況 噴射テスト状況

①高い圧力でのスラリーの噴射 ②最大8枚の攪拌翼と上下連結した共回り防止翼 ③豊富な合成コラムの仕様
この3つの特徴により、高品質で経済的な合成コラムの築造を可能としています。
※「DGコラム工法」についての詳細はこちら

施工手順


噴射テスト状況

 合成コラムの築造


 コラム芯をセット後、スラリーを注入しながらコラム先端深度まで掘進注入攪拌を行い、さらにその後引き上げ攪拌を行います。コラム築造後、芯材の埋設位置と鉛直性を確認して、既定の高さまで芯材を埋設します。より強固な合成コラムが築造されます。

合成コラム画像 合成コラム出来形確認
芯材埋設例画像 芯材埋設の例

DGハイブリッド工法の支持力


トップクラスの支持力係数(先端α155、周面β16)により高支持力を発揮します。

支持力
下限値 上限値
Nα' 砂質土 1.3 15.0
粘性土(ローム含む) 7.5
Nβ' 1.6 7.0
支持力の範囲

合成コラムの長期許容支持力の例

設計基準強度:1,000kN/m²(粘性土地盤)芯材:Φ114.3mm 厚さ2.3mm

コラム N値 周面(平均)

(mm)
長さ
(m)
先端
(平均)
1.6 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0
400 2.0 1.531.236.550.063.476.890.2103.6
3.040.946.359.773.186.599.9113.3
5.053.959.372.786.199.5112.9126.3
3.01.541.950.070.190.2110.3130.4150.5
3.051.659.779.899.9120.0140.1152.8
5.064.672.792.8112.9133.0152.8
4.01.552.663.490.2117.0143.8152.8
3.062.473.199.9126.7152.8
5.075.486.1112.9139.7152.8
500 2.0 1.542.048.765.582.299.0115.7132.5
3.057.263.980.797.5114.2131.0147.7
5.077.584.2101.0117.7134.5151.3168.0
3.01.555.465.590.6115.7140.9166.0170.1
3.070.680.7105.8131.0156.1170.1
5.090.9101.0126.1151.3170.1
4.01.568.882.2115.7149.3170.1
3.084.197.5131.0164.5170.1
5.0104.3117.7151.3170.1

   芯材:Φ114.3mm厚さ2.3mm使用時の合成コラムの圧縮耐力から決まる長期許容支持力

DGハイブリッド工法の仕様


コラムの仕様


コラム径 300mm∼800mm
合成コラム長 0.9m∼8.0m
かつコラム径の20倍
固化材添加量 砂質土300kg/m³以上
粘性土350kg/m³以上
ローム350kg/m³以上
設計基準強度 砂質土1,200kN/m²
粘性土1,000kN/m²
ローム800kN/m²

芯材の仕様


縞鋼板製鋼管を使用します。 1本あたりの長さ:6m以下
合成コラム1本あたりのジョイント数は2箇所以下。
改良径と芯材の組み合わせ
コラム径D
(mm)
芯材径d(mm)
48.6 60.5 76.3 89.1 101.6 114.3 139.8 165.2
300      
400    
500    
600
700      
800        















適用範囲


⒈適用構造物
⑴下記のすべてを満足する建築物
  ①地上3階以下。
  ②高さ13m以下
  ③延べ面積1,500m²以下(平屋に限り3,000m²以下)
⑵高さ3.5m以下の擁壁、および高さ13m以下の広告塔などの工作物
⒉適用地盤
 砂質土地盤・粘性土地盤・ローム地盤


一般財団法人 日本建築総合試験所
建築技術性能証明(GBRC性能証明 第21-06号)
性能証明